カツオブシムシのお話

季節の虫

鰹の削り節のような薄っぺらい男が書くブログ

 突然ですが、こんな虫を部屋の中で見かけたことはないでしょうか。これは有名な衣服の害虫、ヒメマルカツオブシムシの幼虫です。茶色とクリーム色の縞模様、それと嫉妬せざるを得ない剛毛が体のあちこちから生えたタワシのような姿をしています。

 成虫はこんな姿、小さいテントウムシのよう。幼虫時代とは違って花粉や花の蜜を餌にします。白っぽい花に集まっていることが多く、意識し始めると庭や公園で「あ、いた」と気付くことが増えるでしょう。特別人に悪さはしません。

 さて本題、駆除や対策のお話です。先述の通り幼虫が問題になる、従って幼虫の駆除をメインに考えましょう。衣類から発生と書きましたが、その中で毛皮や羊毛といったものが加害されやすいです。筆者のクローゼットには縁が無い、そう期待しましたが植物繊維や合成繊維といった素材でも汗や垢、こぼした食品で汚れた部位を中心に被害を受けることがあります。これは残念、心当たりがあります。

 対策はタンスやクローゼットに防虫剤を入れておく、可能であれば衣類乾燥機で加熱処理することでしょう。特に後者は殺虫剤が効きにくい卵や蛹にも有効な点で魅力です。注意点は衣類がデリケートなものでないか、すなわち乾燥機にかけてもよいかどうか。加えて、熱が全体に行き渡るよう乾燥機に衣服を詰め込み過ぎないことでしょう。

 また部屋の中にポツンと前触れなく出現することもあります。この場合は直接駆除してしまいましょう。素手でひねり潰してもよいですが、スプレー式の殺虫剤、所謂エアゾールを噴霧すれば解決です。色々な種類がありますが速乾性で安全性がより高いもの殺虫成分不使用のものがより使いやすいでしょう。

 衣類以外に目を向ければ、かつお節や煮干し、昆虫の標本といった乾燥した動物質も加害します。上の写真は飼育しているヒメマルカツオブシムシ幼虫が食べた煮干しです、きれいに骨だけになりました。家の中で妙にたくさん姿を見かける、そんな時は台所など食品を保管しているところをチェックしましょう。意外な物から湧いているかもしれません。

 飲食店様や食品工場様の場合は発生源を探し出そうにも物が多い上に面積も広く苦戦するかもしれません。そんな時は発生源の絞り込みに使えるトラップの力を借りればよいでしょう。捕獲の多い場所を中心に彼らがどこで湧いているか突き止めましょう。

 さて、もうすぐ桜も咲きますね。雨が降らないことを祈るだけです。

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