春先の生息調査が大事

季節の虫

啓蟄の日も、布団の中から出てこない男が書くブログ

梅の花

 梅の花が香る暖かな週末が過ぎて本日は啓蟄の日です。啓蟄とは何か?冬ごもりをしていた虫が這い出てくるという意味とのこと。虫が好きな人にも嫌いな人にも胸の鼓動が高鳴る一日でしょう。

軒先に産み付けられたカマキリの卵
同上、拡大

 登場シーンも虫によって色々で、カマキリのように卵から小さな幼虫がどっさりと出てくるものもあります。虫が好きな人には微笑ましく、虫が嫌いな人の目には地獄の釜の蓋が開いたようなものと映るでしょう。

花を訪れたモンシロチョウ

 他には蛹の中から出てくるタイプもあります。この場合は出現するのが1匹だけ、しかし不規則に飛び回る連中が多く虫が好きな人には恰好の的、虫嫌いな方には悪夢以外の何物でもありません。

もち米から発生したノシメマダラメイガ(弊社社員宅にて)

 さて、虫が好きな人にも嫌いな人にも出てきて迷惑なのが食品に悪さをする虫。日頃食品を取り扱う方々には仇でしょう。せっかく作ったお料理やお菓子の中に入ってしまうと気分は台無し、商売であれば商品への異物混入事故となりクレーム対応や商品の回収・補償に直結します。笑い事ではありません。

生息調査の様子(黒いゴマ粒状のものが後述するトラップに捕獲された虫)

 そのため食品工場ではこれら食品に悪さをする虫の駆除はもちろん、彼らが屋内で発生していないか、また外から侵入をしていないか定期的に調査する必要があります。これを生息調査(モニタリング調査)とよび、異物混入事故を防止する上で極めて重要な作業となります。

床置きトラップの例(調査中との記載通り、生息調査を行っている)

 この生息調査の時に用いられるのが虫を捕獲する道具であり、一般にトラップと呼ばれます。虫の好む波長の光でおびき寄せて粘着テープで捕獲するライトトラップ、虫が這い回る場所に設置して粘着糊で捕まえる床置きトラップなど色々な種類があります。前者はハエなど飛び回る虫を、後者はゴキブリなど歩き回る虫を主な対象としています。

建物天井に作られたノシメマダラメイガの蛹

 ところで、冬も発生を続ける(夏に比べて発生数は低下します)虫はいますが、一般に暖かくなると活動し始める虫の方が多いでしょう。食品工場の食品原料から発生するメイガ類シバンムシ類も同様、蛹になる手前の幼虫(終齢幼虫と呼びます)で越冬、その後蛹となって春に羽化、成虫が出現します。この時点では未交尾で、すぐ産卵できる訳ではない。従って、ここで発生や侵入を察知していれば彼らが大発生する前に対策を立てることが可能です。

フェロモントラップ設置の様子

 もうお分かりの通り、そろそろ春を迎えるこの時季から各種トラップを用いた生息調査を始めておくことが(特に食品工場では)大事と言えるでしょう。今日取り上げたメイガ類やシバンムシ類に対しては特定の種を強力に誘引するフェロモントラップが効果を発揮します。メイガ類用のもの、タバコシバンムシジンサンシバンムシに対応するものなど取り揃えております。お探しのものがあれば弊社ホームページまたはお電話よりお問い合わせ下さい。

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