4年ぶりのNAHAマラソン

 先日、弊社恒例の年末フルマラソンへ行ってまいりました。その舞台は毎年12月に開催されるNAHAマラソンと決まっているのですが2020年および2021年はコロナ禍で中止、従って今回は3年ぶり(所用で2019年不参加の私は4年ぶり)の参加となります。

 道中の詳細はもはや私が書くまでもないでしょう、弊社ブログを担う新メンバーたちの投稿にご期待下さい。本日はこの弊社特有の年末行事、どんな雰囲気で催されているのか筆者の視点を交えながらご紹介しましょう。私とて楽しかったので…どうにも文章が長くなり始末に負えんのですが、9割の真実にちょっぴりの誇張、少しだけ臨場感を味わっていただけたら嬉しいです。

 さて、いつも発端は毎年8月のお盆前に流れる社内連絡。もちろんNAHAマラソンに申し込めという片山社長からの号令です。大体のメンバーは苦笑いを浮かべながら「今年も来たか、一丁やるか」という雰囲気で何気なくエントリーを行っているのでしょう。で、たぶんソレを一番後悔しているのがこの瞬間。前日の朝を迎え、空港でしおらしくしている様子を捉えたのがこの一枚です。

 なお、飛行機や宿の予約は会社で…というより片山社長が全て手配して下さります。従って飛行機に乗るのが初めてというメンバーも安心(かつての私もそう)。要は寝坊しない、それとランニングシューズや着替え、そこに若干の仕事道具といった必要な物さえ忘れなければよいのです。新人には「パスポートが必要」などというデマが飛び交うこともありますが、それはちょっとしたご愛嬌。加えて今年はいつもとは異なる景色、それが新型コロナに関する色々な決まりごと。ワクチンの接種証明やPCR検査の検査結果など、こういったところは各自の責任で必要な物を揃えておく必要があります。

 また、道中はかっちりと団体行動ということが珍しく、そもそも関西と関東、それと九州の3地点に営業所を構える弊社のこと、那覇空港への到着は営業所ごとにバラバラ。従って、お昼ご飯を食べるのも空港に到着したメンバーから順に数人で連れ立ってという形になります。今年のお昼はまたずいぶんと健康的だな…。

 ただし、お昼過ぎの会議からはいよいよチームワークを発揮して様々な議題に取り組みます。時に真剣に、時に笑い、時に啓発し合い、そんな風にしてゆっくりと濃密な時間が流れていきます。なお写真は撮ってませんが(今年はとてつもない豪雨だったので撮影が億劫…)、会議が終われば数人で連れ立ってマラソンの受付およびゼッケンの受け取りのため、会場へと足を運びます。その後はホテルで休憩していようが、虫を探しにホテルの周りを徘徊しようが自由です。

 ところがところが、日が暮れ出すとホテルの部屋から這い出して来てロビーに集まる一向。もちろんその目的は待ちに待った宴会会場への移動。中にはタクシーがつかまらず、じれったくなり徒歩で会場へと向かう猛者も現れます(今年は8割くらいが徒歩組)。そしていざ会場へ、そして全員着席、そしてマラソン部長:西尾リーダーの乾杯の音頭とともに無礼講で盛大に飲み会が開催されます。「フルマラソンの前日にやることじゃねぇ」という無粋な話はココでは無し、今日は今日という日を楽しみましょう、カンパーイ!!

 さて、その宴会の様子を覗いてみましょう。これまでのマラソンの練習成果を語る者、日頃交流が出来ない他の営業所メンバーと仕事について熱く語る者、実にエネルギッシュなやり取りが繰り広げられます。それとともに散見される、無礼講の名を借りた報復劇…私も日頃かわいがっていただいている先輩にたっぷりとお礼を返してやらねばなりません。こうして愛情のこもった罵声に大笑いの花が咲き、からりとした風が吹きます。こんな些細なやり取りに腹を抱えて笑う日のために、この1年を頑張ってきたような思いさえ感じます。

 そして、いよいよ迎えたマラソン当日の朝。いつもと同じくホテルの前で記念撮影をパシャリと。毎年新調される会社のマラソンウェア、それと少しずつ増えていく新しい顔。嬉しいなという想いは多分みんな一緒。

 さて、記念撮影が終われば会場へ。ゼッケンの区分ごとに指定の場所へ並ぶため、みんなとは大体ここでお別れ。一人ではないけれど一人の戦いが始まります。なお、NAHAマラソンの制限時間は6時間15分、ただしハーフまでは3時間ほど。体力と時間に注意しつつ、始まりの号砲とともに地面を蹴ってスタートラインを超えましょう。

 ところで、今年は土砂降りだった前日と打って変わって朝から晴れる、そして大会開始から30分後に強烈な雨が降る、そしてまた強烈に晴れるという感じで過酷なレースとなりました。具体的には熱中症の恐れがある、そうでなくても序盤から強烈に体力を奪われるといった具合でしょうか。筆者は2時間40分で中間地点を突破しましたが消耗激しく、写真を撮る余裕もありませんでした(なので社内の写真フォルダから色々と借用)。今年の全体の完走率が60%台ということも頷けるものでした。

 さて、舞台は後半戦へ。沖縄の南部を海沿いに巡るようなコースを辿ります。ところどころ視界が開けて海の見える場所が増え、肌を撫でる涼しい風の吹く気持ちがいいエリアです。しかし、そこはかつて先の大戦で激しい地上戦が繰り広げられた地域でもあります。色々なお話を見聞きして、そして時にそれらが生々しい夢となって現れて、汗びっしょりで目を覚ますこともありました。そんな悲惨な出来事が現実にあった場所。「うーじの森であなたに会い うーじの下で千代にさよなら」。島唄の歌詞に込められたその意味を初めて知った時の気持ちは本当に悲しいであるとか、何とも言い表せないものでした。

 そして25キロ地点で右手側に見えてくる「ひめゆりの塔」。少しだけマラソンのコースから外れますが手を合わせていくランナーも多く、また今年もそのような方を見かけました。ひょんなことがきっかけでお盆に田舎へ帰れば護国神社にきちんとお参りをして、またNAHAマラソンのスタート地点の近くにある護国神社にも手を合わてはいました。しかし、もっと身近なところにあるものに今まで目を向けてこなかった、なんて薄情だったろう。今年こそはと心に決め、遅すぎたことをお詫びしつつ、ようやく今回きちんと手を合わせ、お参りをさせていただきました。そして来年も、またその先も、NAHAマラソンを走る時には欠かさずお参りさせていただこうと思います。

 さて、後半戦も後半戦。刻々と迫る制限時間、体に蓄積されるダメージ、走れない足、沿道からは割れんばかりの声援。そして今回感じた不思議なこと、しっかり声を出すと元気になること。遠く離れた家の窓からおばあちゃんが手を振って下さっているので至近距離に誰もいないことを確認して「ありがとうございます、頑張ります!」と吠えんばかりの声で応じる。「聞こえたかな?」と見ると、また手を振り返して下さる。そして何故か300メートルほど走れるようになる。同じように声援に(距離を十分離して)しっかり応答する、するとまた元気が出て走れるようになる。ある種の強がりなのかもしれませんが、しかし挨拶をしっかりすることは他の人だけでなくて自分自身もまた元気づける、そんな気がしなくもない今回のNAHAマラソンでした。そして6時間いっぱいで同じ開発部の伊藤君とともに無事完走。

 伊藤君に撮ってもらった1枚…歳は取りたくないね。まったく。

 ところでところで、完走した後はどうなるのか?決められた集合場所へ…ということはなくて、基本的に社用携帯で報告をし、あとは風呂に入るなりご飯を食べるなり、夜まで自由行動です。この日は伊藤君とともにたまらず会場近くのソーキそばのお店へ直行!いや~胃袋にしみるなぁ~。

 さて、マラソンも終わり後夜祭。「まだ飲むんかい!」という無粋なお話は置いといて「今回完走できた人にはおめでとう!」、そして残念ながらリタイアしてしまった人には「来年こそは!」の思いを込めて、カンパーイ!!

 そうして夜も更けて、そして迎えた朝。少しだけ目が早く覚めたので、昨日の会場周りを散歩。 毎年のように前日はあれだけ「うわ~、今年もまた走るのか~…」と思うのですが、終わってみればいつもの通り「今年も参加させていただけて良かった!」と感動に包まれる、そしてまた沿道で応援して下さった皆様の親切さが身に染みる、今年もそんな3日間となりました。そして目の前にはまだ昨日の余韻を残す会場。充実感と寂しさとが入り混じる、少し切なげな光景。

 最後に会場へとかかる橋の上から日の出を拝み、また来年もその先も、みんな元気でここへ帰ってこさせていただけるよう祈りつつ、今年のNAHAマラソンの旅の締めとさせていただければと思います。積もるお話が積もるに積もってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。そして沖縄の皆様、今年もありがとうございました!!

秋の終わりのアブラムシ

 先週8日は皆既月食が見られた日でした。FAOPMAのイベント参加で忙しかった弊社スタッフの間でも果敢に撮影を試みたメンバーがおり、微妙に赤いとか点のように小さいとか、既に元の色に戻ってしまってるとか、怪奇的なお月様が撮影されました。

出張から戻ってきた頃には元通りになってしまっていたお月様

 さて、この時季になると多くなる小さな羽虫について今日はお話しましょう。園芸植物や農作物の大害虫であるアブラムシに翅(羽)のついた個体を最近よく見かけます。下の写真はいつものスーパーマーケットで外壁に取り付いていたもの。一円玉との比較より、実際のサイズは4ミリ程度でしょうか。

 次に私の眼鏡についていた個体。自転車で通勤中に偶然付着したようです。私の視界が、部分的に月食(適当)。そして眼鏡のレンズが汚い。

 最後はお昼に弁当を買いに行った時、買い物袋に付着していた例。うっかり袋に付いたアブラムシに気づかないでいると、弁当を食べている最中に「ソレが偶然空調か何かの風に乗って袋から弁当の中へ落っこちてくる」なんてことが起きるかもしれません。私のような人間であれば「油揚げだ」と笑ってつまんで捨てると思いますが、普通の感覚の方であればそうもいかないでしょう。食欲が減退することかもしれません。

 このように翅のあるアブラムシをはじめ羽虫が「袋や鞄、衣服などに付着して屋内へ持ち込まれる事例」には注意が必要でしょう。それに加えて、羽虫がフラフラッと外から屋内へ迷い込み、そして工場の生産ラインや飲食店の客席など重要なエリアへ到達してしまうことも悩ましいものです。ではその対策は何か?一つには建物の入り口の前などに置ける、または前室など屋内に設置できる殺虫器を設置することでしょう。いずれも建物への侵入を阻止する、あるいは建物の奥へと侵入される前に、なるべく出入り口に近いところで駆除する効果が期待できます。

建物の前室などに設置して威力を発揮する自動殺虫器「ストロンテック」(赤丸部)

 この他にも扉や窓の隙間を防虫ブラシで塞いで侵入経路を無くす、あるいは窓ガラスに窓ガラス用殺虫剤を噴霧しておいて窓際からの侵入を阻止する、羽虫がよく飛来する外壁に色々な害虫に効果のある殺虫剤を噴霧するなどするとよいでしょう。基礎的な内容に終始しましたが、ご参考まで。

窓ガラスへのサイベーレエアゾール噴霧

 ■担当者の雑記

 いよいよ手袋が手放せない、寒い季節となりました。そんな中、南極観測船「しらせ」が先日もっと寒い、寒すぎるであろう南極を目指して日本を出発したとのことでした。そういえばこういった船内の防虫対策、特に食料保管設備周りの害虫管理はどうなっているのか、興味は尽きません。それと同時に目的地へ無事辿り着き、そして日本にまた帰ってきてくれることを祈るのみです。そして果たして今度はどんな発見を持ち帰って来てくれるのでしょうか。楽しみです。

撮影:2016年8月6日 横須賀にて(前田浩志)

郵便物?

朝晩が冷え込む季節になってきました。空模様が流氷を海の底から眺めたみたいになってて良い感じ、撮影しておくか。

ところで最近出張プラスアルファで自宅はしばらくほったらかし。郵便物が溜まっていないか気になる。

・・・またとんでもない物が届いたもんだ。

品物はクビキリギス。翅や胴体に送り主の記載は無し。 たまたま僕のところに迷い込んで来たか・・・それにしても、またえらい隙間に挟まってたもんだ。

このアパートの玄関にある郵便受けは全部で63。偶然にしても結構な確率。「この人のトコなら大丈夫だろう」と察知していたのであれば、勘の良さは大したもの。

成虫で冬を越すことと時季を考慮すれば餌や水をあげたりというケアは要らないはず。郵便受けの中でほったらかしておく。ここなら凍死もせんでしょうし。気が向いたら越冬に適した枯草の中に投げ込んでやるか。

どうせなら、送り先を間違えた宝くじの当たり券とかギフトカードが届いて欲しいもんだ・・・まぁ、先週の休日は存分に楽しめたから、いいさ。この話はまた後日いつか。

このように冬眠する虫が我々の身近な場所へやって来るのが今の季節。その最たる例はカメムシの仲間でしょう。他にもバカでかい蛾が建物の壁にへばりついていることもありますが、スプレー式の殺虫剤を使えば事足ります。噴霧した後に油じみが残らないものが使いやすいです。なお、面倒であれば素手で掴んでその辺の草むらに投げ捨てる、箒で叩き落すなどしてしまってもよいのです。

茶色い羽アリが飛び始めました

 最近、アリのご相談がちょこちょこと届きます。

 歩き回る働きアリではなくて、羽アリの方です。少し時季が早い気もしつつ、サクラアリなどではないかと思います。

 そういえば、秋の中頃から終わりにかけて毎年よく姿を見たな。

 そう、お昼ご飯を買いに行った後の、買い物袋の上とか。

 ところで、実際に皆さんが彼らを目にするのは建物の周りが多いでしょう。もう少し踏み込んで言えば夕暮れから夜間にかけての時間帯で、窓の周りや常夜灯、照明看板、自販機の周辺など。まとめると、夜に明るく目立つ場所といったところでしょうか。

 さて、種類によって初夏とか秋の初めとか、大雑把な発生時季が決まっているクロアリの羽アリたち。しかし正確な出現の日時まで予測することは困難で、かつ大量発生する割に1週間から10日ほどで自然と姿を消してしまいます。従って「羽アリが出た」というご相談をいただいたのに、あれこれ対策をお伝えして殺虫剤などをご購入いただいて後日「いざ駆除!」という頃には発生が勝手におさまっていることもあり得ます。私にとっても「あと2~3日やり過ごして下さい」と言うべきか「この殺虫剤を購入して使って下さい」とお伝えすべきか、判断や回答が難しい場面もあります。

 それでも一つ言えることとして「毎年ある時季になると羽アリが飛んでくる」、そして「そのせいで困っている」という場合は事前に殺虫剤を用意して散布し、迎え撃つ体勢を敷く、これが大事でしょう。具体的には外壁にサイベーレ0.5SC、窓ガラスとサッシにはサイベーレエアゾールを散布しておくなどの対策が効果的です。散布する場所のキーワードは、常夜灯の光に照らされる、室内の光が漏れてくる、外灯や照明看板の光が当たる、といった「夜に明るく目立つ場所」です。

寒くなって来たので・・・

先週の前半、通勤途中にある橋の上より。ひつじ雲では無いことは確かですが、いわし雲か、さば雲か区別がつきません。鳥の羽毛みたいだと思い写真を撮っておきました。見れば見るほど、羽ばたく鳥・・・そうでもないか。

 なお、このような雲が見られた後は雨が降るとのこと。はたして3連休の大半は雨になり、冷え込みが厳しい朝になりました。朝の通勤がどんどん億劫になります。

 さて寒くなり始めたので、そろそろ冬眠に入るカメムシの対策をと言いたいのですが、それは後進に譲るとして感染症のお話を。11月頃からノロウイルスの発生件数が増加し始めるとのこと(※1)、万が一に備えて消毒や後片付けの用意などされてもよいと思います。消毒に関する資材だけでなく、後片付けに便利な装備品もこの際点検・補充などしていただけたらと思います。

 ところで、今週はきれいな夕焼けを拝める日が続くと良いですね。

だんご

花より団子か・・・いや、両方とも寄越していただこうか。

 先週の土曜日は中秋の名月でしたが、みなさん綺麗なお月様はご覧になられたでしょうか。あいにく手元には焦げたたこ焼きのような写真しかございません。甚だ遺憾です。

 食べた団子の写真を撮ることも失念しておりました。左からみたらし、いちごあん、胡麻餡と思っていただくと幸いです。なお串に刺さった団子は3個、そしてダンゴムシの体は頭部と胸部、腹部の3つ。団子の串は1本、ダンゴムシの足は7対14本、ただし卵から孵ったばかりでは6対12本です。覚えたとて何の役にも立ちませんが、雑学まで。

 人に対する害はありませんが不快感が問題になります。建物の周りを徘徊しているものの駆除にはシャットアウトSEなどの粉剤が効果的です。

再来・植木も無いのに出現する毛虫

休日の朝も、容赦無しか・・・まあ、いいさ。

 実家で迎えた某日の朝、目を覚ますと部屋の壁に黒い影。眠い頭を働かせ、枕を抱えたまま標的を凝視、検索を開始。裸眼だからぼんやりとしか見えない標的。でも移動の速さ、動きのパターン、標的の輪郭・・・ハエトリグモではない、か。

 眼鏡をかけて、距離を詰めてもう一度。あらわになる正体、毛虫のような姿で体色は灰色。背中にはほくろのような黒い点、そこに体長と時季を考慮すれば・・・ヤネホソバか。弊社の所在地大阪では6~7月の梅雨の頃、そして9~10月の年2回発生。毒があるので不用意に触ると刺される。面倒なことになったな。

 さて、ヤネホソバか。それなら発生源は苔むしてしまった外壁が疑わしい。もちろん庭のウッドデッキやラティス(木製のフェンス)に生えたコケからの発生事例もある。しかし、まずは部屋から一番近いところにあるベランダから調査。・・・僕がいない間に、ずいぶんと荒れてしまったな。

 そしてベランダに一歩足を踏み入れた途端に・・・見つけたよ。あちこちに細長い毛虫の姿。

 床面だけでなく、外壁の目地の隙間・・・逃さん。

 パッキンの隙間も・・・捉えたぞと。

 そして侵入経路になり得る掃き出し窓のサッシ下。ここを見逃すわけにはいかない。

 ・・・案の定、か。ここにも複数のヤネホソバ。

 最後に念のため。サッシのところ・・・どうかな。

 指の先、矢印の先に隠れてるつもりだろうけど・・・残念だったね。

 割りばしで突っつかれて、あえなく退散。

 ところで、このヤネホソバたちをどうしょうか。一ヶ所に集めて駆除してしまってもいいけれど、殺虫効力の試験に使えないかな。ということで、割りばしで採集を開始。ベランダに張られたまま放棄されていたクモの巣も活用。

 割りばしに、クモの糸。大学時代に教授から習った方法。柔らかいヤネホソバを傷つけず、糸にくっつけて確実に回収。

 そして採集されたヤネホソバたち、合計30匹ほど。普段は対策として清掃によるコケの除去、それと殺虫剤の噴霧ということをお伝えしています。けれど、実際にどの殺虫剤がどのくらいの時間で殺虫効果を発揮するのか・・・これから実験を行って、データを出してみたいと思います。

 もし実験が間に合えば、今週の弊社セミナーでその効力試験の結果もお見せできたらと思います。僕がセミナー中に何も言わなかったら・・・色々と察していただけたらと思います。なお、セミナーではヤネホソバをはじめ、9月初旬から10月頃まで一般家庭などで問題になる害虫について紹介する予定です。オンライン形式ですので、お気軽にご参加下さい。

肥料から発生したタバコシバンムシ

植物系の乾燥食品から発生するタバコシバンムシの、ちょっと変わった発生事例。

写真1. 園芸肥料とタバコシバンムシの死骸

 某日、園芸用の肥料からタバコシバンムシが発生した事例に遭遇しました。写真の指先に写っているゴマ粒状のものがタバコシバンムシの死骸です。そして、その上にある円筒形のものが肥料です。

写真2. 今後の参考のためサンプルとしていただいた肥料

 幸いにして現場は経験豊かな弊社ベテラン社員の自宅であり、相談を受けた時には既に欲しい情報が全て揃っていた状態でした。そのため発生源の絞り込みから発見までが非常にスムーズに進みました。以下に問題発生から原因の推定、そして解決までを簡単に振り返ってみます。

写真3. 顕微鏡で観察し、タバコシバンムシと判定された検体

 まず発端は、ある時から玄関および隣接するトイレで毎日シバンムシらしき虫を数匹以上見かけるところから。次に「これはシバンムシで合っているか?」とのことから社内に検体として死骸を持ってきていただき、その結果タバコシバンムシと判断されました。そしてその後も出没は止まらず、また偶然にしては見かける数が多すぎることから、屋内のどこかに発生源があると推察され、具体的に調査していただくに至りました。

写真4. タバコシバンムシ用フェロモントラップ「ドームトラップ」の設置イメージ

 さて、セオリー通りにいけば発生源となり得る乾燥食品、これが多く保管されている台所周りが疑わしいという流れになります。しかし台所では姿を見ないこと、さらに客観的な判断材料として後日タバコシバンムシを対象としたフェロモントラップを設置されていたこと、そしてフェロモントラップでの捕獲が無かったこと、これらの点で台所付近での発生では無いと考えられました。よって調査の範囲を拡大していただくことにしました。

写真5. 袋の中をよく見るとタバコシバンムシが歩き回っている

 そこでシバンムシの姿をよく見る玄関周りに発生源がある、あるいは玄関から出てすぐのところに何か発生源があり、それが扉の隙間などから屋内に侵入しているものと推測して調査をしていただきました。そしてその結果、玄関に保管してあった肥料の袋の中に同じような虫の死骸が見られ、そして詳しく調べた結果、この肥料からの発生と結論付けられました。

写真6. 弊社の顕微鏡机の様子

 今回の一連の調査・解決を陰で支えたのは「対象種の種類の特定」と「フェロモントラップによる客観的な分布調査」でしょう。前者は「何から発生するか」と「どのトラップ、または薬剤が効果的か」という判断材料として重要であり、後者は「的確に発生源の場所を絞り込む、ここは可能性として無い」という確かな情報を得るために欠かせません。

 毎回毎回、このようにレーダーやソナーで探知するように害虫を追跡・発見し、そしてスマートに駆除・解決と進めたら良いのですが、時には難儀な現場もあり、またそういった体験談と解決の決め手もいつかお話しできたらと思います。

ネズミ捕りに参戦・五銭もらって天丼

今日は少し、ネズミと歴史のお話。

 新型コロナウイルスの感染者が急増している中、感染予防対策をしっかり行いつつ某日は出張へ。道中、潮風に当たりたいと休憩に立ち寄った某海辺の町にてドブネズミともクマネズミとも言えないネズミと遭遇。写真の中央やや右にネズミが写っていますが遠いこと、一瞬のことで種類の判別が難しい。

 そんな出張が終わり、会社への帰途に寄り道。某ビールのCMのBGMが流れる駅のホームを降り、グーグルマップを頼りに歩くことしばし。流れ落ちる汗、滝のごとし。突き刺さる日差しと、すれ違う女子高生たちの視線がただただ痛い。

 さて、汗を垂れ流しつつ目的地の祥雲寺さんへ到着、そしてその境内にある「鼠塚」を参拝。かつて1899年から1926年にかけて日本でペスト(黒死病)が流行した時のこと。ペスト蔓延防止のために媒介動物であるネズミを徹底駆除する試みがなされ、その防疫処置により命を落としたネズミたちを供養するもの、それがこの鼠塚です。

 そのような取り組みの中で興味を惹かれたのは、1905年(1900年とも?)の伝染病予防法の一部改訂により行われたネズミの買い上げ運動。ネズミを捕獲し、それを交番へ持っていくことで現金引換切符がもらえ、そしてそれを区役所で換金するというもの。そしてその際に貰える金額が5銭であったと言われています(当時の東京市)。

 もらえる金額に加え、その5銭で何が購入できたのかは資料により若干の差異があるものの天丼が5銭(7銭とも)であったとのこと。つまりネズミ1匹か2匹で天丼一杯分です。時代が時代なら、いつもの現場で捕獲したネズミを粘着板から剥がし、そして交番へ持ち込み、引き換え切符をいただくことで1日に天丼を数杯食べられる計算になった訳です。これは実に羨ましい。

 しかし、天丼天丼と言う前にお腹周りが気になること、それに加えて新型コロナウイルスだけでも大混乱に陥っている昨今のこと。ペストのような危険極まりない伝染病が1927年を最後に日本で確認されていない現実に感謝すべきでしょう。また、世界の一部ではペストが今も存在し続けていること、そして日本へ新たに持ち込まれることが無いよう今日も検疫所で目を光らせている方々にも改めて感謝しなければならないと思います。

三脚・真夜中・セルフタイマー撮影

カメラに三脚つなげ、夜の港町を駆け抜ける。カラカラと足音残して。

 某日、とある観光地を尋ねたものの人が多過ぎた上、撮影場所を占領され続けてタイムアップ。残念に思いながらホテルまで帰ってきました。それでも、部屋の窓から見える景色がきれいだったから予定変更、夜の港町撮影会なんてどうだろう?誰の邪魔も入らないだろうから・・・よし、やってみようか。

 そう思って、うんと昔に撮影した景色を今宵もう一度。今回使ったのは新しい一眼レフカメラと三脚。調整したのはシャッタースピードとセルフタイマー。初めてやった割には・・・どう、かな。

 お昼は思うような写真が撮れず残念に思ったけれど、こっちの楽しさを知れたから、まあいいさ。これから出張の夜は、夜景の撮影会かな。

 夜の水面をゆっくり滑るタグボード、セルフタイマー10秒のタイムラグを考慮して、船首が少し入ったあたりからスタート、シャッタースピード15秒で捉え続ける。船尾の灯が一条の光となって、よい感じ。

 熟達すれば、もっと良い画が撮れるはず。会社から帰ってきた後、家の周りでも練習が出来るから、特に雨の日の楽しみになって良いかなと思います。

 今回試したシャッタースピードに加えて、今後は絞り値やISO感度の調整まで身につけなくてはなりませんが、まずは通過点として。

■ 今週のピックアップアイテム!

 今回は夜の撮影会というお題をご紹介させていただきました。さて、そんな夜中ですが色々な虫とばったり出会うことも多いはず。「終電迫る駅のホームで電車を待っていたら、アブラゼミに体当たりされた」という事故はよいとして、どうしても出会いたくない虫というものもあるでしょう。

 具体的に言えば、まずムカデ。そろそろお盆休みという文字がちらついてきますが、そんなお盆休みのこと。子供時代におじいちゃん・おばあちゃんの家に泊まり、そして夜にトイレへ行こうとしたその時。薄暗い土間を滑らかに進むその姿を見て戦慄が走ったという方も多いのではないでしょうか。もちろん、弊社技術のチーフに「腹が立つほど痛い」と言わしめた咬みつきには注意が必要です。

 それともう一つ挙げるならば、「化け物のように大きなクモ」ことアシダカグモ。今でこそ同じ部屋の中にいても鼻歌交じりで過ごせますが、子供の頃は恐怖の存在。学生時代に「この人は陸上自衛隊の軍曹か何かか?」と思うような立派な体格の先輩がおられましたが、その方をして「コイツが垂直に飛び上がって来た時は思わずのけぞった」と言うほど、やはりその迫力は十分です。

 さて、そんな百足ことムカデや8本足のクモ、その他6本脚の様々な害虫に対してオールラウンダーな活躍を見せるのが「サイベーレ0.5SC」という殺虫剤です。水で薄めて散布するといった手間はかかりますが、多くの方から良い評価をいただいております。もしこれらの害虫で困っている方がおられましたら、二の足を踏まずに是非一度お試しいただければと思います。