年始に合わせて靴を新調したせいで、当分の間はランチや飲み会の帰りに自分の靴がどれだか分からなくなるであろう男が綴るブログ

新年あけましておめでとうございます。皆様にとって本年が幸多き一年となりますようお祈り申し上げます。また今年も弊社をどうぞよろしくお願いいたします。

さて、ご挨拶に続いて新年最初の投稿である。干支に合わせたヘビの話題をお届けできれば理想的である。しかしどうだ、取り掛かってみるとかなり難しい。月並みな内容に終始するか、ここに載せられないようなグロテクスな写真の羅列が関の山であった。やはり蛇の道は蛇である。それは専門家に任せるとして違うお話をしたい。しばしお付き合いいただければ幸いである。
いつもの年末恒例行事

いささか自分語りで恐縮だが筆者には年末のルーティンがある。それは私が知らないうちに自宅へ侵入し、そしてリビングにある照明カバーの中へ入り、そこで空しく死んでいった虫の調査である。具体的にはそんな虫たちの死骸の数(大雑把に)と虫の種類数を1年おきに記録する作業となる。一般人から見ればただの奇行である。

去年度(2024年分)のソレを調べている様子。照明カバーを外し、その中で見つかった虫の死骸を一ヶ所に集めてカップに移す。こうして得た虫たちの死骸をその後会社に持ち込んで顕微鏡で観察するのである。去年の分(2024年)、一昨年の分(2023年)、そして数年前の分(例えば2016年)とデータは年を重ねるにつれ蓄積されていく。奇行とて継続は力なりである。

概要は以上、そして昨年1年間の結果発表である。合計17匹であった。一昨年と同様に極めて少ない。最も多いユスリカの仲間でさえ15匹にとどまった。このユスリカ類だけでもかつての最盛期では72匹を数えた。それが今はこの凋落ぶりである。家の中に侵入した虫の数が少ない。ブログの尺が持たない。そんなことで頭を抱えている人間は世界広しと言えども筆者一人であろう。

閑話休題。他にはタマバエの仲間が1匹見つかった。種類によって植物に寄生する、アブラムシを食べるなど、生活の仕方とか習性といった専門的にいうところの「生態」が異なるため、一括りにして論じることが難しいグループである。一つ言うならば、外から建物の中へと侵入することの多い虫という点だろうか。

最後にチョウバエの仲間が1匹。これは外から建物の中へと侵入することもあるが、お風呂場や台所など水回りで湧いて出ることの方が多い。つまり家の中から発生しやすい虫である。この死骸に限れば、さしづめ去年筆者と死闘を演じたものたちの残党か子孫のなれの果てであろう。以上、去年分の調査であった。

ところで筆者をこのような奇行に駆り立てる動機は何か?好奇心である。実に度し難い。しかしこうした年に1回の観察を続けた結果、一つ発見があった。それは直近2年を境に照明カバーの中で死んでいた虫の数と種類数が大幅に減少したことである。ではその境目で自宅に起きた変化は何か?照明を蛍光灯からLED灯に換えたことが挙げられる。それが本当の理由なのか。勘違いで別の要因があるのか。まだ結論は出ない。議論の余地はある。ただ真面目に言えば、これもまた科学である。日々の業務の中にもこうした遊び心は大事である。
できるだけ早く虫の侵入を察知する方法

さて、この調査を例えば極端な話、年に1回ではなく1時間に1回くらいの短い間隔に変更すると何が起きるか?明快である。虫が家の中に入ったことをリアルタイムに近い形でチェックできるようになる。もちろんこの方法で調べるのであれば「虫に照明カバーの中へ入ってもらう必要がある」という前提条件に注意が必要である。そしてそこから話を大きく飛躍させる。実はそんなリアルタイムのチェックと似たようなことを可能にする道具が世の中には存在する。ペストビジョンFC型である。

詳細はホームページに詳しい。ここでは概要のみを述べる。飛び回る虫が寄り付きやすい光を放つ機械(一般に捕虫器と呼ばれる)の一種であり、おびき寄せた虫を機器内部にセットした粘着紙(一般に捕虫紙と呼ばれる)で捕獲する。そして一定時間おきにその粘着紙を撮影し、そこにくっついて捕まった虫の数をAIで解析・カウントしてくれるのである。 なお、本機はいわゆるIoT機器である。察しの良い方はその通り、粘着紙で捕獲した虫の数は専用ウェブサイトから確認可能である。つまり現場へ行かずともウェブ上で捕獲の状況を把握できる。

加えて捕獲が一定数(設定値)を超えると本体のLEDランプが緑色(平常時)から赤色(警告時)に変わる。またメールでアラート通知が届く。これらの機能も見逃せない。「言いたいことが分かったぞ」という声が聞こえてきた。その通りである。例えば食品工場や医薬品工場など虫がいては困る施設で「虫の侵入が起きていないか、きめ細かくチェックしたい」というリクエストに応え得るマシンである。

ここから先は担当者に引き継ぐが、もし興味のある方がおられたら幸いである。是非お問い合わせをいただきたい。さて、年始早々に話題が害虫駆除の道具へと行き着いてしまった。これは当ブログの宿命である。水をお風呂場のどこへ流しても最後は排水口へと流れ着くのと同じである。ところで本日もよく仕事を頑張った。そろそろ帰宅してお風呂の時間にしたいと思ったところで筆を置かせていただきたい。