ガーデニングのついでに蚊を退治(発生の元を断つ編)

母の日を実家の害虫駆除に費やす男が綴るブログ

 某日、実家に帰ったところその翌日は母の日であった。帰省のタイミングを誤った。予想通り、次の日に待っていたのは庭でガーデニングのお手伝いであった。母の日に筆者へ期待されるのは花束ではなく労働奉仕なのである。しかし母にとっては高所にある鉢の手入れや日曜大工など、日頃したくてもできなかったことが解決したかもしれない。痒い所に手が届いたのであれば幸いである。

 ところで母の日と言えばゴールデンウイークの後である。それは蚊が外で本格的に出現し始める時季でもある。案の定、この日もある時は筆者の傍を、そしてある時は母の傍を蚊が飛び回るという具合であった。こちらの痒い所にも手を伸ばさなくてはなるまい。去年に続き、庭にいる蚊の駆除作戦である。親孝行とて虫の話題に行き着くのは、もはや三つ子の魂何とやらである。

 そこで今回はガーデニングと一緒にできる蚊の対策をしたい。必要なのは専門知識ではなく地道な庭の掃除・片づけである。それさえ実行していれば蚊の湧くスポットは排除され、そして気が付けば手入れの行き届いた素敵な庭も完成する。では本題に入る。まず蚊が湧く場所とは落ち葉や泥の溜まった汚い水の中である。一般住宅の庭に多いヒトスジシマカの場合はほんの水たまり程度の場所で十分生活ができる。具体的には植木鉢の受け皿に溜まった水、野ざらしのプランターに溜まった水が挙げられよう。庭にそんな物があれば水を捨てて掃除する、乾かす。そして使わないのであれば野ざらしにせず物置にしまっておく。

 それと植え替えの時季にありがちであろうか。作業途中のためかプランターなどに園芸土の袋が広げられており、そこに雨水と土が溜まったまま放置されているところもある。こういった水たまりも蚊が湧く格好の場所になりかねない。きちんと掃除、整理整頓しておくに限る。

 他にはコンクリートブロックの窪みに溜まった落ち葉と水も綺麗に除去しておきたいものである。また作業が終われば横に倒しておき、再び窪みに落ち葉や水が溜まって元の木阿弥にならないようにしたい。

 さて、こうして掃除・片づけ・整理整頓を続けている内に難敵の登場である。観賞魚や水草を育てている訳ではなく、雨水と落ち葉が溜まるに任せている大きな水瓶である。覗き込むとおびただしい数の蚊の幼虫、いわゆるボウフラが目についた。排水が必要である。ホームセンターに売られているポンプで中の水を吸い取ることにした。

 そして吸い取った水はこちら。落ち葉や泥に紛れてボウフラや蛹が多数確認できた。正確に数えてはいないが大体50匹ほどであろうか。なお一般住宅に多いヒトスジシマカ1匹の平均産卵数は数十個から100個ほどと言われている。従って、この半数の約25匹が雌だとした場合。それらが成虫まで育ち、そして産卵したとすれば誕生する幼虫の数は1,000匹から2,500匹と見積もられる。こう考えると水瓶一つの掃除とて大変価値のある作業であったと言えるだろう。

 ところで、である。こうして回収したボウフラや蛹はどのように処分すべきか?去年も述べているが簡単である。彼らは水の中でしか生きられない。乾いた地面に水ごと流してしまえば良いのである。なお、繰り返すが本日は母の日である。傍で見ている蚊の雌から見れば鬼畜の所業であろう。立場が変われば正義と悪なぞ簡単にひっくり返るものである。

 そんな哲学的なことを考えながら水瓶の掃除に最後の仕上げである。底に溜まった泥と落ち葉の掻き出しである。蚊の幼虫、ボウフラはなにも水の中にさえいれば生活できる訳ではない。水底に溜まった泥や落ち葉を食べて生きていけるのである。であれば餌となる物を掃除して無くせば自ずと蚊の発生は終息する。蚊の雌が産卵する気持ちも失せるであろうか。産卵と駆除、繰り返される争いのどこかに終止符を打てるのであれば本望である。

 しかし、である。せっかく掃除をしても、やがては時間とともに落ち葉や水が溜まってしまって元通りになるだろう。とはいえ、こんな大きな水瓶を頻繁に掃除するのは大変である。親に任せる訳にはいかないし、筆者が何度も帰省して掃除する訳にもいかない。そこで、である。こんな時は殺虫剤の力を借りるに尽きる。ありがたいことに水中に投下しておくと蚊の発生予防になるものがある。今回はこれを散布しておいて終了としたい。

 さて、これで当分の間、実家は蚊とも痒みとも無縁であろう。立派に親孝行をしたとドヤ顔を決めたところで「あんた、親孝行もいいけれどそろそろ・・・」という小言がどこかから聞こえてきた。その言葉の続きは容易に想像がつく。痛いところを突かれる前に本日は筆を置かせていただきたい。