確認・アップデート

ひなびた町への旅行でしか得られない栄養を摂取して生きる男が書くブログ

意外に多かった神奈川への旅行

 恐縮ですが最初に私事を少しだけ。筆者が旅へ出ようとすれば社内で「また長崎か?」と聞かれます。そがんごっとい行っとるか?試しに過去10年の旅先を調べると1割にも満たずイメージの問題、そしてトップは神奈川で2割強。数値化するとすっきりしますね。

社内の簡易実験の様子(殺虫座の効力確認など)

 そして本題です。日頃、皆様から害虫の駆除方法や殺虫剤の効果など様々なご質問をいただきます。入社年数が経つにつれ経験から先入観に囚われることがあり、自分の回答が正しいか実験して確認する、教科書を読み直して知識を修正する場面が増えてきました。仕事でも確認が大事ですね。その流れから弊社オンラインセミナー(無料)の宣伝です。今週からゴキブリ駆除の基本、殺虫剤の基礎知識、この2題で開催します。基礎の復習にいかがでしょうか、お申し込みはこちらからどうぞ。

手に汗握るスポーツ観戦

 お話は少し脱線。似たようなことはスポーツ観戦でもありますね。プロ野球で例えると、自分の贔屓球団に対して妙に打率の良い気がするライバル球団の打者がいたとして。対戦成績をチェックしてみると意外に大したことがない、そんなこともあるでしょう。たまたま大事な試合で1本打たれた、その記憶を引きずっているだけかもしれません。

朽木の中で越冬していたオオスズメバチの新女王

 話を元に戻して今までの知識を修正する必要があった場面。先日耳に挟んだスズメバチの冬越しが正にそうでした。専門的なお話ですが、スズメバチというものは秋に誕生した女王バチだけが朽木の中などで冬を越します。その際、上の写真のように1つのスペースで女王バチが1匹で過ごすのが普通と記憶していました。しかし近年は1つのスペースでまとまった数の女王バチが冬越しすることもあるらしく、弊社ハチ博士の見立てでは「宅地開発により生息環境(=越冬の場所を含む)が減ったことによる行動変化ではないか」とのこと。こういったところは生き物相手ということもあって新しい情報を入手してアップデートする必要があります。

ランニング中に見つけたクビアカツヤカミキリ

 他に新たな外来生物の話題も。先日は自宅の近くをランニング中にクビアカツヤカミキリを発見。頭を踏みつけて駆除しましたが、こんな身近なところで見つかったことに驚きを隠せませんでした。振り返るとヒアリ、ツマアカスズメバチ、セアカゴケグモなど、これまで日本に様々な外来種が侵入し、問題となってきました。ニュースになって終わりではなくて、現在どの種がどの地域にまで分布を広げているのかといった情報の更新も交えて繰り返し発信されていく必要があるように感じました。

 細々と日々知識の維持、修正、更新といった作業を繰り返しつつ、皆様に色々な情報をお届けできるようこれからも頑張ります。さて、ちょっと前の会議中。少し席を外してた間に今週からのオンラインセミナーの講師に登録されてしまってました。皆様に間違ったことをお伝えしないよう、週明けから講演資料の確認に大忙しです。ちょっと会議の席ば外しとっただけだったとに。なして・・・。

虫たちの移動距離①

試しにヨガをやってみたところ、ものの5分で両足を攣った男が綴るブログ

 某日、久しぶりの出張で東京へ行ってまいりました。始発に近い時間の電車に乗らなければならないところ地元の駅にて落下物を発見、カブトムシの雌。おそらく駅から300メートルほど離れた天神さんの森から飛んできたのでしょう。捨ておくと人に踏まれるかカラスに食われるか。さりとて森まで逃がしに行ってやる時間もない。えぇい、ままよ。

 たまたま持ち合わせていたタッパーに投げ込んで東京出張へ連行。今日は日帰りなので夜に元いた森まで逃がしに行けばよいでしょう。なお、高槻から東京までの距離は片道500キロ以上。野生のカブトムシではまず達成できない移動距離。もし森に住む虫たちに言語やらコミュニティーがあるのだとしたら「うちの森には往復1,000キロの旅をしたカブトムシがいるらしい」と後日話題になるでしょう。

 ところで一般的な昆虫の移動距離はどのくらいか?虫により異なるものの一般家庭でよく見かけるヒトスジシマカの場合は1日に100メートルほど。同じ蚊でもコガタアカイエカでは1,000メートルほどと言われております。

 次にシロアリの羽アリの場合。ヤマトシロアリで100メートル程度、イエシロアリでは1,000メートルほど、あまり長距離は飛べません。ということはシロアリの羽アリが大量に出現した場所があれば、その近くに巣がある可能性が考えられます。仮に自宅の近くで羽アリをたくさん見かけた場合は自宅で発生していないかの点検や、シロアリの予防を検討する必要があるでしょう。

 害虫が続いたので華やかな虫の話題を。渡りをする蝶として知られるアサギマダラの場合、1,000キロ以上を飛行した個体がいるとの報告も散見されます。1,000キロと言えば東京から下関までに匹敵する距離。同じ虫でもこれほど移動する距離が異なるというのもまた面白いお話ですね。他にもハチとかバッタとか、色々な虫の移動距離も後日続編として書きましょうかね。

 さて、往復1,000キロの出張が終わって帰宅。明日は朝早くから現場作業が予定されているので夕飯はコンビニ弁当で簡単に。1日連れ回したカブトムシは腹ペコで森に帰すわけにもいくまい、夕飯と一緒に購入したバナナを与えて腹いっぱいにしておく。かくして1人と1匹、ともに食卓を囲むという奇妙な一夜を過ごし、翌朝カブトムシは無事元いたであろう森へと帰っていったのでありました。