忘れた頃に、オーマイマイガ

 思ったよりも、ずっと早く梅雨が明けそうです。この「例年と比べて気温とか降水量が〇〇です」という年は、虫の発生数にも変化が見られるかもしれず気掛かりです。「冷涼だったのか〇〇の虫は発生が少なかった」であれば有難いですが、その逆だとロクなことになりません。

 具体的に言えば、この時季では2014年の大発生を思い出すマイマイガ、これがまた問題にならないかどうか。地域や季節にもよりますが、7月前後に成虫が出現し、建物の外壁や照明看板などに飛来します。体長がいくらとか細かい数値はいちいち出しません、そこそこ大きな蛾が飛んで来るので気持ち悪いですし、加えて外壁や柱に卵をまとめて産み付けるなどして美観的にも大迷惑です。

 気温や降水量の問題では無くて、何年かおきに大発生する当たり年があるとかどうとか、実際にはそんなところかもしれません。それはさておき「白くて大きな蛾を家の玄関とかベランダ、はたまた駐車場とかで毎日毎日見かけるな」と思ったら、速やかに対策を取りましょう。具体的には建物の外壁に「ほぼ無臭で使いやすい殺虫剤」を散布しておくとよいでしょう。殺虫剤の使い方や駆除方法に不明な点があれば、ご相談いただければ幸いです。

羽アリが飛ぶ前に準備を

 このところ自宅のアパートで廊下を歩いていると、照明周りを飛ぶ虫が目立つようになりました。さて、カレンダーを眺めると6月も中旬に差し掛かりました。そろそろクロアリの羽アリが飛ぶ季節ではないでしょうか。

 多くの場合、近くの山や公園、空き地に生息していたアリの巣から羽アリが発生し、それらが照明の光に誘引されるなどして家屋の周りへと飛来します。よって、飛来される前に発生源そのものを叩くことが難しく、ある日突然飛来してきた羽アリを「建物内外で片っ端から駆除する」という受け身の対策にならざるをえません。

 ただし、毎年クロアリの羽アリが飛んできて困っている場合は「梅雨が明けた頃」とか「お盆の前後」など羽アリが出現する時季をある程度予測できます。加えて、羽アリが光に誘引される性質を持つことを考慮しましょう。飛来するのは「玄関の常夜灯周りや窓の周り」や「会社の事務所では照明看板付近」など夜間に明るく目立つ場所というように絞り込めます。

写真:前室に目立たず設置できる防虫器

 それを踏まえて、照明周りの外壁に「においが無くて殺虫効果も長持ちする殺虫剤」を噴霧しておく、加えて窓ガラスに「ガラスをくもらせず、べたつきも残らない殺虫剤」を噴霧しておくとよいでしょう。病院やオフィスなど前室がある(自動ドアの先に小さな部屋があり、その奥に受付があるというような構造)場合はそこに「虫を侵入させない・させてもその場で駆除する防虫器」を設置しておくとよいでしょう。

 一方で、羽アリには俗に言うアリ殺しなど「食べさせて駆除する毒餌」が効きにくく、従ってもし家の中に入って来た場合はスプレー式の殺虫剤でやっつけるなどしましょう。どんなものでも効きますが、「より安全性が高いもの」や「殺虫成分を不使用」など色々ありますので、それらの違いで選んでいただいてもよいです。

 なお、羽アリの正体や発生する理由も含めてこちらのサイトでもご紹介しております、虫の写真が気にならない方は併せてご覧下さい。

青とオレンジの衝撃

最後の方に出てくる虫と似たようなのを見かけたら、ご注意ください。

 某日、出張の帰りに鎌倉近辺を回って行きました。駅のポスターなどを見るとスタンプラリーもやっているようです、興味のある方はチャレンジしてみるとよいでしょう。さて、今回は7年前ぶりに長谷寺を訪問。いつもは赤い山門の提灯が金色に変わっており、少し神々しい雰囲気を出していました。

 前回はアジサイの時季が終わっており、仕方なく茶色いキノコを撮影するしかありませんでしたが、今日は入口に入った途端に色とりどりのアジサイがお出迎え。よい滑り出しです。

 観音堂へ向かうまでの道をカメラで少しローアングルから。石畳の灰色と苔の緑色の景色が、賑やかになり過ぎないようにと緩急を利かせているみたいにも感じます。

 なお、お目当ての「あじさい路」は既に110分待ち。そこまで長居はできないから、境内のアジサイだけで満足しましょう。今日は、これで十分。

 ところで、アジサイ=青のイメージを持ちますが、このように白色や桃色、紫色といったように様々な種類があります。花の形にしてみても変化に富んでいて、飽きない魅力があります。

 そして境内にある池。落ち着いた景色ではあるけれど、オレンジ色をした鯉が地味になり過ぎないようアクセントを利かせています。

 もう少し天気が良ければ嬉しかったのですが、それはそれで際立つ色と脇を固める景色のメリハリが利いていて、良いかなと思います。

 弁天窟の鳥居の赤とアジサイの淡い紫とを対比させながら1枚。まだ今週いっぱいはその景色を楽しめると思います、近くまでお越しの際は是非お立ち寄りく下さい。

 ところで、最近毒虫の出現・相談が相次いでいます。典型的なものにムカデ、またマニアックですが苔を食べる蛾「ヤネホソバ」の幼虫など様々です。加えて、写真のアオカミキリモドキは体液中に毒を持つ虫であり、素手で潰したり素足で踏み潰さないように注意が必要です。不運にも体液が皮膚に付着すると、後日火傷のような灼熱感と水泡を生じるなどの症状に見舞われます。青い背中とオレンジ色の頭・お腹をした虫を見たらご注意下さい。

 同様に、このアオバアリガタハネカクシも体液中に毒を持ちます。こちらも青い背中とオレンジ色をしたお腹、黒い頭とお尻の先が特徴的です。また、アオカミキリモドキにも言えることですが、危機を感じた時に体の節々から体液を分泌することがあり、その場合は虫体に触れただけでも被害に遭うことになります。裏を返せば直接触れなければよいのであり、屋内に入ってきても(必要に応じて使い捨ての手袋、長袖の服を着用して)外へつまみ出してしまえばよいのです。屋内で使いやすい殺虫剤ですぐに駆除してもよいでしょう。

 加えて、根本的な対策として窓を開放している時はきちんと網戸をするなどしましょう。特に暑いこの時季は気を付けたいことです。それでも、という場合は窓ガラスやサッシ周りに使用できる殺虫剤を1か月おき(心配なら2週間か3週間おきでも可)に噴霧しておけば、侵入防止の対策になりますので、必要に応じて利用すると良いでしょう。

海風の国・佐世保を巡る

今日は、仕事とは関係の無い私的な旅のお話。時間の許す範囲でお付き合いいただけたら、幸いです。

 長かったシンガポール出張が終わって、某日は長めのお休みをいただきました・・・2泊3日の旅に出る余裕があるから、今度こそ佐世保へ行こうか。そう思ってお昼過ぎに家を出て、新幹線と特急に揺られながら数時間、夕暮れの五番街に到着。6年前と変わらない町並みが待ってくれていました。

 さて、今回はどこへ行こう?いつも通り港に停泊する護衛艦を眺めたり、町を歩いて歴史散策をしてもいいでしょう。でも、この前お客様からいただいたたくさんの地図や資料も是非活用したい。例えば九十九島の絶景とか、山の中にあるお店のご飯とか、海沿いのドライブとか、もっともっとこの町の魅力を知る、そんな今までと違った旅もまた魅力的。よし、やってみようか。

 地図を広げて、食事が美味しそうなお店とか、気になる展望台とか、今もひっそりと残る戦跡とか・・・行ってみたい場所を結ぶ。必然的に長くなる距離、容赦のない高低差、レンタカーを使うことは想定内。でも、知らない町で乗り慣れない車種を一人で運転するには少しだけ準備が必要。

 まず九州営業所の齋藤所長に交通情報を聞いて、車の少ない時間帯を把握する。次に航空地図を眺めて、注意を要するヘアピンカーブはストリートビューで運転席からの見え方を確認。あとは車を予約して出発するだけ。怖さを忘れてはいけないけれど、一人のドライブも楽しい。枷は外せたのか、景色を楽しむ余裕を持ちながら最初の目的地、弓張岳に到着です。

 駐車場に車を停めて、最小限の荷物だけを持って、お目当ての展望台へ。こうやって身軽になれるのも、車を使った旅の魅力。そして誰もいない展望台に躍り出ると、目の前に広がる景色。今日泊まるホテルも、6年前に歩いた思い出いっぱいの町並みも、たくさんの護衛艦が停泊する岸壁も、全て1つのコマの中。どう表現すればいいのか、言葉にするのが難しいです。

 これは翌日、海から展望台の方を向いて撮った1枚。目の前に見えるのは、日本遺産にも認定された「ジャイアント・カンチレバー・クレーン」。今はもう日本に3台、世界にも10台しか残っていない貴重なもの。その遥か頭上にある展望台に今立っている訳です。6年前はそんなこと、考えもしなかったな・・・。

 ひとしきり撮影を終えて景色を楽しんで、最後に今回のきっかけをくれた地図を展望台に飾って記念撮影。文句なく晴れた空、独り占めにできた絶景、叶った願い。忘れられない思い出。

 さて、そんな弓張岳を後にして次の目的地へ。思ったより経った時間、最初予定していたお店を回るとスケジュールが少し厳しくなる。急遽、第二候補のお店へ行き先を変更、車を走らせる。思っていたのと違う細い道、レンタカーで乗り込んでいいのか躊躇する砂利だらけの駐車場。ゆっくりと車を降りると、目の前には九十九島の絶景、それと道端に咲き誇るアジサイ。何度もヘアピンカーブをくぐり抜けた後だったので、安堵感と感動もひとしお。

 そして、待ちに待ったお昼の時間。誰もいないから、遠慮なく眺めのいいテラス席に座らせてもらって、お目当ての佐世保バーガーを堪能。今まで悩んでいた些細なこととか、気だるげな気持ちとか、全部ここに置いてこれた気がします。「ずっとここにいたい」という気持ちが沸き上がるけれど、時間は少しずつ迫って来ます。そろそろ次の目的地へと行こうか。

 会計をしながらお店の方にお礼を伝え、再び運転席の中へ。海の見える道路を突っ切るのは想像以上の爽快感、そして辿り着いたのはここ、展海峰です。佐世保の町並みを一望できた弓張岳とは違って、ここでは自然豊かな九十九島を一望できます。旅の計画を練る時に、行くのが少し億劫だと思ってしまったけれど、それでもこの景色には勝てません。

 高いところから、さっき通った道を眺める。その遥か向こうには佐世保港。何故か湧き上がる、逃避行にも似た理由のない開放感。やがて観光バスの方々が来られたので場所を譲って、そしてこの日最後の目的地へとまた車を走らせました。

 目的地の近くで車を停めて山道を歩くことしばし。戦跡「丸出山堡塁観測所跡」に到着。かつて、佐世保軍港を守るために築かれた「佐世保要塞」、そこに属する砲台の一部(28cm榴弾砲)の砲戦指揮のために建設されたと言われます。軍港の整備とともに村から一気に市へ発展したとされる佐世保。賑わいを見せる町、自然豊かな山、心躍る美しい海、ずっとここにいたいと思う海風の国。でも、その陰で厳しい時代があったこと、生き抜くための工夫を凝らした日々があったこと、それを語り継ぐ証人がここにいました。

 結局、幸いにして一発も射撃する機会のないまま、今に至るとのこと。そんな施設の周りをぐるりと観察していると、ふと目についた蛾の仲間。巧妙に擬態しているつもりかもしれないけれど・・・見つけたよ。当時の観測兵だった方がいたら「貴様、なかなか目がいいな」と褒めてもらえたかもしれません。

 かつて弊社の姉妹ブログを担当していた時、ここ佐世保を旅した日のことを書きました。その最後には「その町並みを歩けば、時に栄光の跡、時に傷跡と、姿や形を変えた歴史が埋もれています」と書き綴ったように思います。今回、一つのきっかけから始まって色んなところを巡り、その埋もれていた歴史にまた少し触れることが出来たかなと思います。

 そして無情にも訪れたタイムリミット。そろそろ来た道を引き返し、レンタカー屋さんへ車を返さなければなりません。明日もまだお昼過ぎまでいられるよと、そう分かっているのに湧き上がる「帰りたくない」という想い。でも、思い出はたくさん出来たし、今度は夕日の落ちる九十九島を眺めたいとか次の目標も見つかったし、それを励みに日々頑張って、またいつか来させていただけたら嬉しいなと思います。 

 他にも、直線のアーケードとしては日本一の長さと言われている「さるくシティ403アーケード」を歩いて距離を測ってみたお話とか、夜中に決行した「サヨナラランニング」のこととか、またいつか機会があればお話しさせていただけたらと思います。では、さよなら、佐世保の町。ありがとうございました、佐世保の皆様。またいつか町の中を「さるく」させてもらえたら嬉しいです。