蚊を退治する(成虫編)

 このたびの豪雨に被災された皆様へ心からお見舞い申し上げますとともに、現地で復旧作業に従事されている皆様の安全をお祈りいたします。

庭にたくさん飛んでいる蚊の成虫を一気に減らす作業

 しとしとと雨が降り続く中、久しぶりに太陽が顔をのぞかせた日曜日となった。そのせいか、なんか蚊が多くなってきた。聞くところによると、実家でも猛威を奮っているらしい。蚊の一斉駆除が必要であろう。そこで今回は蚊を退治するために使用する殺虫剤の使い方や注意点について述べたい。ご参考になれば幸いである。

1.使用するのは噴霧器と液体の殺虫剤

 さて、庭を飛び回る蚊を退治したい。どんな方法があるだろうか?蚊取り線香という声が聞こえてきた。それも正解であるが、そこそこ広い庭にいる蚊を一気に減らすような方法の方がありがたい。そこで、である。今日は水で薄めて散布できる殺虫剤を利用したい。広範囲に殺虫剤を散布する際は、こういった殺虫剤と噴霧器の出番である。そしてその中から今回は噴霧器#530とベルミトール水性乳剤アクアを選んだ。ベルミトール水性乳剤アクアとは、本来飲食店のゴキブリ駆除に使用される殺虫剤である。しかし用法用量に書かれている通り、薄めに希釈すれば植栽にいる蚊の駆除にも使用できる。

 なお、水で薄めて散布できる殺虫剤を使う時、殺虫剤も水も用法用量に従い計量する必要がある。安全性の高い殺虫剤とて、濃度が極端に濃すぎると何かしらの悪影響が出る恐れがある。反対に、用法用量よりもかなり薄い濃度にしてしまうと、期待していたような殺虫効果が得られない可能性もある。繰り返すが、きちんと計量することが大事である。なお、計量には100均で販売されている計量カップが便利である。ただし「殺虫剤注意」と書いておき、他の用途に誤って使用されないようにしておきたい。

 ところで、である。筆者はベルミトール水性乳剤アクアを使用するのが久しぶりであった。そしてそこに思わぬ落とし穴があった。それは何かと言えば、順を追って説明する。まず先にベルミトール水性乳剤アクアの原液を噴霧器のタンクへ入れたのであった。そして次に勢いよく水を噴霧器のタンクに入れたところ、御覧の通りビールのように泡立ってしまいタンクから溢れ返ってしまったのであった。 どうやら先に水を入れ、その後殺虫剤を入れるという手順が正解らしい。皆様は筆者の二の轍を踏まぬようご注意願いたい。なお、泡立ってしまったからといって殺虫効力には何ら影響はない。そこはご安心いただきたい。

 話を元に戻す。こうして殺虫剤と水を噴霧器のタンクに入れて蓋を閉め、次にすることは蓄圧作業である。蓄圧と書くと難しく聞こえるが何のことは無い。自転車のタイヤに空気入れで空気を入れることと同じである。すなわち噴霧器の頭についているピストンを上下させて空気を噴霧器のタンクへ送るだけである(これをポンピングと呼ぶ)。タンクの中の薬液(水と殺虫剤の混ざったものを薬液と呼んでいる)の量にもよるが、大体20~30回ポンピングすれば十分であろう。

2.散布前・散布中の注意点について

 次に殺虫剤散布の準備が完了したところで注意事項を述べたい。それは金魚やメダカといった魚への影響である。殺虫剤の中には魚への毒性が強いものがある。ベルミトール水性乳剤アクアは多少マシな部類と言われているが、それでも薬液が水槽や金魚鉢の中へ入ることは避けたい。従って水槽や金魚鉢は事前に移動させる、またはこういった物がある場所では散布を避けるといった配慮が必要である。

 また植栽に向けて薬液を散布する場合の注意である。大事に育てているお花があれば、念のため散布を控えた方がよいかもしれない。未だ聞いたことの無い事故ではあるが、デリケートな観葉植物だと葉が変色してしまったりする恐れがあるらしく、これに注意を要する。またイチゴやミニトマトの鉢植え、ゴーヤカーテンなど「作物が植えられている場所」の散布も控えたい。

3.散布のコツと、ありがちなミス

 さて、注意事項の説明が終わったところで、いよいよ薬液の散布方法である。植栽に撒く場合は植物の葉の裏側まで撒くよう心掛けたい。葉の裏側にも休憩中の蚊がいるためである。地味なようであるが、大事なポイントである。

 ところで今回使用した噴霧器#530であるが、ノズルの先端を見るとどうか?写真のように自由に角度をつけることが可能である。つまり植物の葉の裏側へ薬液を散布したい場合、ノズルを上向きにしてあげると噴霧がよりしやすくなる。この噴霧器を使用する際は覚えておきたい特長である。

 ただ、そうして気持ちよく約衛を散布しているとどうだろう?突如、薬液の噴霧が止まらなくなってしまい、びっくりすることがある。これは噴霧器#530のトリガー部分が知らないうちにロックされていることが原因である。

 トリガーのロックとは、赤いトリガーの上にある黒いパーツが 前方にスライドしている状態である。この黒いパーツが前方にスライドすると、トリガーを握らなくても薬液がずっと出続ける状態になる。

 なお、ロックの解除は簡単である。トリガーを下に押しながら黒いパーツを手前にスライドさせる。以上である。

● 来週は幼虫退治編をお届け

 以上、蚊を退治する際のポイントについてご紹介した。しかしである。蚊の成虫だけを退治しても、どこからともなく新たな蚊が湧いてくるのでキリが無い。同時に幼虫への対策、つまり蚊が湧く場所をどうにかすることも大事である。次回はこうした蚊の幼虫退治編をお届けする。来週もお付き合い願いたいと思ったとロコで本日は筆をおかせていただきたい。

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