年がら年中、食欲の秋な男が綴るブログ。

9月も下旬になり、スーパーマーケットには秋の味覚が並ぶ時季となりました。 お客様からいただく害虫のご質問もそろそろカメムシやネズミが多くなるのではと 予想しながら準備を進めております。

そんな中、戸建て・マンションを問わず新築の住宅でキクイムシ(ヒラタキクイムシ)が 発生したらしい、という相談を立て続けにいただいております。 状況として写真のように一円玉よりもはるかに小さくて長細く、赤茶色をした虫が部屋の あちことに見られるというものです。 何となく見た目がヒラタキクイムシという木材害虫に似ていることから「新築なのに早速 害虫が発生するとはどういうことだ!?」というクレームの原因になりがちです。

しかし、その正体はカビなど菌類を餌とするカドコブホソヒラタムシやヒメマキムシ類で あることが多いです。 和室であれば畳、フローリングの部屋であれば巾木と床の隙間など、湿気がこもりやすく カビを生じやすい場所で知らず知らずのうちに発生しているようです。 慣れた人であれば肉眼でも見抜くことは可能ですが、普通は顕微鏡で見なければ判別が 難しい昆虫です。 代わりに「壁や柱に画鋲で突いたような穴が無い」、「きな粉のような粉が床に積もって いない」という状況であれば、ヒラタキクイムシではないかもしれないと判断します。

これらカビから発生する昆虫は、新築の家で発生しやすい典型的な種類と言えます。 その理由として、新築の家では建材がまだ完全に乾燥し切っていないため多湿に なりがちなこと、加えて家の気密性が高いため湿気がこもりやすく、餌となるカビが 発生しやすい状況になることが挙げられます。 他にもこの季節であれば台風の到来、また台風の後に晴れて蒸し返す日が続くことも 理由として考えられるでしょう。

対策としては定期的に換気する、風通しの良いレイアウトに変更するなどが挙げられます。 また、エアコンによる除湿も効果があるかもしれません。 加えて、畳の裏や巾木の隙間などには害虫の発生予防効果を持つファーストキルNを噴霧 しておくとよいでしょう。
虫の写真を見るのは平気なので、虫の種類についてもう少し詳しく知りたいという方は 「虫取りたちのつぶやき」をご覧いただければと思います。 また、ご紹介したファーストキルNの使い方についても簡単に写真付きで記載しています。 なお余談になりますが、これ以外にも新築の家に出現しやすく、かつヒラタキクイムシと 酷似するコクヌストモドキという害虫もいるのですが、それはまた次回に。